「暑中見舞い」と「残暑見舞い」。どちらも夏のご挨拶であることはわかっていても、はっきりとした違いについては案外知らないもの。まずは、「暑中」と「残暑」の時期の違いについてみていきましょう。

「暑中見舞い」を贈る時期
「暑中見舞い」の時期は、二十四節気でいう小暑(7月7日ころ)から立秋(8月7日ころ)前までとされています。ただし、季節のごあいさつですから、あまりに実際の気候とかけ離れているのは考えもの。「暑中見舞い」の時期が地域によって異なるのは、お盆の日付が地域ごとに異なることや、新暦旧暦の違いなどが理由といわれています。
そのため、贈り先さまのお住まいの地域の梅雨明け以降を目安に送ることが多いようです。「暑中見舞い」は7/7ごろ〜8/6ごろ(立秋の前日)までに送りましょう。
「残暑見舞い」を贈る時期
「残暑」は、暦の上で「立秋」(秋の始まり)を迎える8月7~8日ころ(その年によって変わる)以降を指しますが、そもそも「暑さが残る時期」という意味なので、はっきりとした終わりの日付は決められていません。「残暑」は「暦が秋になっても暑さが続く時期」とされており、おおむね8月いっぱい、暑さが長引く年には9月に入っても残暑とされることがあります。
これを念頭に置くと、残暑見舞いを贈る時期は「2025年8月7日(立秋の日)~8月31日」となります。
「暑中見舞い」と「残暑見舞い」の違いは
「暑中見舞い」と「残暑見舞い」の言葉の意味の違いは、「暑中」と「残暑」という言葉自体の意味の違いにあります。「暑中」は「暑さの真っ盛り」「暑さのピーク時」を指す言葉で、夏の最も暑い時期をあらわします。
一方、「残暑」は「残る暑さ」という意味で、暦の上では秋になったにもかかわらず、まだ続いている夏の暑さを表現しています。つまり、「暑中見舞い」は暑さの最盛期に相手の健康を気遣う挨拶であるのに対し、「残暑見舞い」は本来なら終わっているはずの暑さがまだ続くなかでの見舞い、という意味合いをもっています。
「残暑見舞い」の書き方と例文
「残暑見舞い」を作成するポイント
「残暑見舞い」の基本的な構成は次の通りです。
- 挨拶
- 時候の挨拶
- 相手を気遣う言葉
- 自分の近況報告
- 暑さをねぎらう言葉
- 日付
とくに気をつけなければいけないのは①②⑥の3点です。順番に解説します。
①は通常の場合「残暑見舞い申し上げます」という書き出しとなりますが、目上の方に宛てる場合は「残暑お伺い申し上げます」となりますので注意が必要です。
②には、手紙を出す季節にあう挨拶を書きます。
真夏のような暑い日が続くことが多いとはいえ、きちんと秋のはじまりを意識した挨拶文を書くようにしましょう。
⑥は「年・月」の順に明記します。単純に「八月」と書いても問題はありませんが、「葉月」「立秋」「晩夏」という、日本ならではの大和言葉で書くと情緒が感じられます。
「暑中見舞い」と「残暑見舞い」は、両方書く必要はなく、どちらかを書けば問題ありません。また、葉書に書くのが一般的であり、その場合は縦書きが基本です。
おさえておきたい「残暑見舞い」のタブー
「残暑見舞い」を書く際は、「残暑見舞い」と「暑中見舞い」の時期や書き方を混同させないように気をつけなければいけません。時期や文例を間違えてしまうのは贈り先さまに対して失礼にあたるので、これから紹介する例文を参考にしてください。とくに、日付の書き方に注意しましょう。
暑中見舞いでは「盛夏」の語句を、残暑見舞いでは「晩夏」「立秋」「葉月」などを使うのが一般的です。
「残暑見舞い」の例文
<基本の例文>
- 残暑お見舞い申し上げます
- 立秋とは名ばかりの暑さが続きますが、◯◯様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
- 先日はお忙しいなか、お電話をいただきましてありがとうございました。仕事の関係でまだまだ夏休みが先になりそうななか、ひとときのおしゃべりが一服の清涼剤になりました。
- まだまだ暑い日が続きますが、くれぐれもご自愛くださいませ。
- 令和◯年 晩夏
<目上の方向けの例文>
- 残暑お伺い申し上げます
- 暦の上では早くも立秋を過ぎましたが、秋とは名ばかりの暑い日が続いております。
- ◯◯様におかれましては、お変わりなくお過ごしでいらっしゃると拝察申し上げます。
- わたくしも、日々の仕事に目が回りながらも、幸い大事なく過ごすことができております。
- 今年の残暑は、ことのほか厳しいとの由。くれぐれもご自愛くださいませ。
- 令和◯年 葉月
<取引先の方に向けた例文>
- 残暑お見舞い申し上げます
- 平素は格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。
- 皆様におかれましては、益々ご健勝のことと存じます。
- 弊社も、暑さに負けず新たなプロジェクトに邁進しているところです。
- 酷暑厳しき折、貴社の益々の繁栄を祈念いたしております。
- 令和◯年 晩夏
<親戚向け例文>
- 残暑お見舞い申し上げます
- 立秋とは名ばかりの暑さが続いておりますが、その後も皆さまお変わりありませんか。
- 先日の帰省では大変お世話になりました。久しぶりにお会いできて、とても楽しい時間を過ごすことができました。お忙しいなか集まってくださり、本当にありがとうございました。
- まだまだ暑い日が続くようです。ご無理のないよう、皆さまくれぐれもご自愛ください。
- 令和◯年 晩夏
<親しい人へのカジュアルな例文>
- 残暑お見舞い申し上げます
- まだまだ暑い日が続いていますね。
- その後、お変わりはありませんか。
- こちらは相変わらずせわしない毎日ですが、家族みんな元気に過ごしています。来月に遅めの夏休みがとれそうなので、数日帰省する予定です。都合がつけば、一緒に食事ができたら嬉しいです。
- 季節の変わり目ですので、お互いむりせず過ごしましょう。また会える日を楽しみにしています。
- 令和◯年 立秋
<メールでの例文>
- 残暑お見舞い / 株式会社⬜︎⬜︎⬜︎
- 残暑お見舞い申し上げます
- 平素は格別のご高配を賜りまして、心より御礼申し上げます。
- 今後とも、なお一層のご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
- 厳しい残暑が続いておりますが、貴社ご一同様のご健康とご健勝を心より祈念いたします。
- 株式会社⬜︎⬜︎⬜︎ 営業部
山田 一郎
03-3246-◯◯◯◯
〒103-0027
東京都中央区日本橋3-13-6
メールで残暑見舞いを送る場合、件名に必ず「残暑見舞い」もしくは「残暑お伺い」と記載し、一目で内容がわかるようにします。本文はできる限り簡潔にしましょう。日付はなしで問題ありませんが、通常のビジネスメール同様署名を忘れないようにしましょう。
残暑見舞いにおすすめのギフト
まだまだ暑い日が続くからこそ、贈り先さまには、少しでも涼しさを感じられるプレゼントを贈りたいもの。リンベルでは、さまざまなジャンルのギフトをご用意しております。
以下の記事では「残暑見舞い」におすすめの贈り物を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。