叙勲・褒章とは? 叙勲祝い・褒章祝いのお返しのマナーについても詳しく解説

イラスト:左から「大勲位菊花章頸飾」「桐花大勲章」「旭日重光章」「文化勲章」「紫綬褒章」それらを指さしながらコンシェルジュが「勲章、褒章だから『受章』です。『受賞』と間違えないように気を付けて」と言っている。

日本では各界の功労者に対し、「勲章」を授与(叙勲)したり「褒章」を授与(授与することも「褒章」と呼ばれる)したりする「栄典制度」があります。しかし、勲章・褒章とはどのような種類があるのか、また叙勲祝い・褒章祝いを受け取った場合、お返しはどれくらいの価格がよいのか、わからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は勲章・褒章の種類や授与対象、叙勲祝い・褒章祝いを受け取ったときのお返しのマナーについて解説していきます。

勲章・褒章の授与の種類・受章対象者

国の栄典制度で授与される栄典の種類には大きく分けて「勲章」と「褒章」があります。それぞれの詳しい種類や、受章(栄典を受けること)対象者を見ていきましょう。

勲章の種類

大勲位菊花章(だいくんいきっかしょう)

日本の勲章の最高位で、ネックレス型の大勲位菊花章頸飾(だいくんいきっかしょうけいしょく)と、大勲位菊花大綬章(だいくんいきっかだいじゅしょう)があります。旭日大綬章又は瑞宝大綬章を授与されるべき功労より優れた功労のある方へ授与されます。

桐花大綬章(とうかだいじゅしょう)

旭日大綬章又は瑞宝大綬章を授与されるべき功労より優れた功労のある方へ授与されます。

旭日章(きょくじつしょう)

旭日大綬章(きょくじつだいじゅしょう)、旭日重光章(きょくじつじゅうこうしょう)、旭日中綬章(きょくじつちゅうじゅしょう)、旭日小綬章(きょくじつしょうじゅしょう)、旭日双光章(きょくじつそうこうしょう)、旭日単光章(きょくじつたんこうしょう)があります。国家又は公共に対し功労のある方のうち、功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた方へ授与されます。

瑞宝章(ずいほうしょう)

瑞宝大綬章(ずいほうだいじゅしょう)、瑞宝重光章(ずいほうじゅうこうしょう)、瑞宝中綬章(ずいほうちゅうじゅしょう)、瑞宝小綬章(ずいほうしょうじゅしょう)、瑞宝双光章(ずいほうそうこうしょう)、瑞宝単光章(ずいほうたんこうしょう)があります。国家又は公共に対し功労のある方のうち、公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた方へ授与されます。

文化勲章(ぶんかくんしょう)

文化の発達に関し、特に顕著な功績のある方へ授与されます。

宝冠章(ほうかんしょう)

外国人に対する儀礼叙勲等特別な場合に、女性のみに授与される勲章です。

叙勲(勲章受章)の対象者

年2回行われる「春秋叙勲」においては70歳以上の方、または精神的または肉体的に著しく労苦の多い業務や人目に付きにくい分野で長年業務に精励した55歳以上の方で、国家や公共事業、社会に功労のあった方が対象となり、毎回おおむね4,000名の方に授与されます。
春秋叙勲と同日付けで授与される「危険業務従事者叙勲」の対象は、警察官、自衛官など著しく危険性の高い業務に精励した者となっています。

また、毎月1日付けの「高齢者叙勲」の対象は春秋叙勲によって勲章を授与されていない功労者で、年齢88歳に達した者となっています。

「外国人叙勲」の対象は、外務大臣からの推薦に基づく国賓や駐日外交官、顕著な功労のあった外国人とされています。

「文化勲章」の対象は、文化審議会に置かれる文化功労者選考分科会に属する委員全員の意見を聴いて文部科学大臣から推薦された者について内閣府賞勲局で審査を行い、閣議に諮り、決定された者となっています。

褒章の種類

紅綬褒章(こうじゅほうしょう)

自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した方に授与されます。

緑綬褒章(りょくじゅほうしょう)

長年にわたり社会に奉仕する活動(ボランティア活動)に従事し、顕著な実績を挙げた方に授与されます。

黄綬褒章(おうじゅほうしょう)

農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する方に授与されます。

紫綬褒章(しじゅほうしょう)

科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方に授与されます。

藍綬褒章(らんじゅほうしょう)

会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた方、または国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保護司、民生・児童委員、調停委員等の事務)に尽力した方に授与されます。

紺綬褒章(こんじゅほうしょう)

公益のため私財(500万円以上)を寄附した方に授与されます。

褒章(褒章受章)の対象者

年2回行われる「春秋褒章」においては、紺綬褒章を除くそれぞれの褒章にふさわしい功績がある方が対象となり、毎回おおむね800名の方に授与されます。
「紺綬褒章」は国、地方公共団体又は公益団体(公益を目的とし、法人格を有し、公益の増進に著しく寄与する事業を行う団体であって、当該団体に関係の深い府省等の申請に基づき賞勲局が認定した団体)に対する寄附をした方が授与の対象となり、表彰されるべき事績、つまり対象となる寄附が生じた都度、各府省等の推薦に基づき審査をし、授与を行っています。

叙勲授与のお祝いをするときは何を贈ればよい?

身近な方の叙勲や褒章の知らせを受けたら、まずは祝意をお伝えします。10日後までを目安にご自宅へ出向いてお祝いの挨拶をするのが望ましいですが、遠方などで難しい場合でも、祝電を手配するか、お電話を差し上げるようにしましょう。

お祝いの贈り物

受章された方のお宅はお祝いに訪れる来客が増えます。訪問してお祝いする場合は、縁起のいいお酒やタイなどの鮮魚、胡蝶蘭などのお花、進物用の果物といった、来客のおもてなしに使える品がおすすめです。配送で差し上げる場合も、日を置かないのであればこうした品が喜ばれるでしょう。ただし、定番だけに重なることも多い品ですから、少し日が経っているような場合は日持ちのする品を選ぶなど工夫しましょう。

熨斗(のし)は紅白蝶結びの水引がついたもの

イラスト:赤金の蝶結び水引が書かれたのし紙。水引上に「御叙勲御祝」と書かれている。

叙勲祝い・褒章祝いの熨斗は、紅白蝶結びの水引がついたものを選びましょう。蝶結びはほどけやすく結び直しやすい特徴から「何度あってもいいお祝い」の象徴とされています。
結び目の上に書く表書き→「御祝」「御受章祝」「御叙勲御祝」としましょう。「受“賞”」と間違わないように注意したいところです。

叙勲祝い・褒章祝いにはカタログギフトもおすすめ

受章された方のお好みがわからない、飲食できる品などに制限があると思われる、またご自宅への来客があるかもはかりかねるといった場合は、お相手に選んでいただけるカタログギフトもおすすめです。記念品からグルメまで、さまざまな品が揃っています。

叙勲祝い・褒章祝いのお返しで押さえておきたいマナー

叙勲祝い・褒章祝いをいただいた際には、感謝の気持ちを示すためにも、お返しの贈り物を差し上げるようにしましょう。ただし、お礼のために贈る品は表立って「お返し」とは呼ばないのが一般的ですから要注意です。この場合、喜びやめでたさをわかち合う意味合いの「内祝い」や、「叙勲記念品」「受章記念品」などとしてお贈りするようにします。

お返しの相場

お祝い金や贈り物をいただいた場合は、いただいた金品の半額程度を目安として、内祝いの贈り物や受章の旨を名入れしたお菓子などの記念品をお贈りすることが多いようです。

祝賀会の際に内祝い(叙勲記念品・受章記念品)を引出物としてお渡しする

受章者側で祝賀会を主宰する場合、内祝いや叙勲記念品、受章記念品は宴席のお土産である「引出物」としてお渡しするのが一般的です。わざわざ足を運んでくださった方に余計な負担をかけないよう、持ち運びなども考慮した品を選びたいところです。

祝賀会をしない・どなたかに開いていただく場合

受章者が祝賀会を主催しない場合は、受章の発表か、祝賀会を開いてもらった後1~2週間以内を目安に内祝い(叙勲記念品・受章記念品)をお贈りするようにしましょう。配送で差し上げるのであれば、ダイヤ貼りの洋封筒に二つ折りのカードかハガキを入れたお礼状を用意して同梱します。祝電やお電話をいただいたお相手には、このお礼状を郵送するとよいでしょう。

水引は蝶結び、表書きは「内祝」か「叙勲記念」「受章記念」

内祝い(叙勲記念品・受章記念品)にかける熨斗は、叙勲祝い・褒章祝いと同様に結び直しやすい蝶結びの水引を選びます。表書きは「内祝」または「叙勲記念」「受章記念」とするとよいでしょう。

イラスト:赤銀の蝶結び水引ののし紙。みずひき上には「内祝い」下には「リンベル 太郎」と書かれている。

内祝いや叙勲記念品、受章記念品におすすめの品物

内祝いや叙勲記念品、受章記念品には、菊の紋や受章記念の旨、日付、名前などを名入れした和洋菓子やお酒などが用意されることが多いようです。器、ブックマーク、フォトスタンド、卓上時計などの机上用品も定番ですが、受章者のための記念品ではありませんから、名入れは控えめにすると使っていただきやすいでしょう。

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