褒章(ほうしょう)の種類には何がある? 授与決定までの流れや授与対象も解説

イラスト:右側に紫綬褒章の図解(上から綬、飾板、メダルのキャプションつき)。左側には、紅、緑、黄、紫、藍、紺の褒章を指さし「功績の内容によって綬の色が分かれます」と説明するコンシェルジュ

褒章(ほうしょう)という言葉自体はニュースなどで見聞きしますが、どのような種類があり、どのような人が対象になるのかはあまり知られていないかもしれません。褒章の種類と授与対象、また、身近な方やご自身が授与された場合のお祝いについて解説します。

褒章とは

「褒章(ほうしょう)」とは各界の功労者を顕彰(けんしょう。功績などを一般に知らせて表彰すること)する、日本の栄典のひとつです。

社会や産業、福祉、文化などに貢献した者に、年2回行われる「春秋褒章」にて贈られ、毎回おおむね800名の方に授与されます(後述する紺綬褒章を除く)。受章者は褒章を着用し、配偶者同伴で天皇殿下に拝謁します 。

褒章の歴史

褒章は明治14年12月の「褒章条例」公布により、紅綬褒章、緑綬褒章、藍綬褒章が制定されたのが始まりです。大正7年には紺綬褒章、昭和30年に黄綬褒章、紫綬褒章が制定され、現在まで続いています。

褒章の種類・授与対象について

褒章は円形のメダルに、「褒章」の二文字と桜の花がデザインされ、褒章の種類に合わせた綬(じゅ。褒章を着用するための帯状の紐)が付属しています。

内閣府では、褒章の種類と授与対象者について、以下のように定めています。(出典:内閣府Webサイト「褒章の種類及び授与対象」)

紅綬褒章(こうじゅほうしょう)

  • 自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した方

緑綬褒章(りょくじゅほうしょう)

  • 長年にわたり社会に奉仕する活動(ボランティア活動)に従事し、顕著な実績を挙げた方

黄綬褒章(おうじゅほうしょう)

  • 農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する方

紫綬褒章(しじゅほうしょう)

  • 科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方

藍綬褒章(らんじゅほうしょう)

  • 会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた方
  • 国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保護司、民生・児童委員、調停委員等の事務)に尽力した方

紺綬褒章(こんじゅほうしょう)

  • 公益のため私財を寄附した方

紺綬褒章は国や地方公共団体、または公益団体(府省等の申請に基づき賞勲局が認定した団体)に対する寄附をした方が対象です。対象となる寄附が生じた都度、各府省等の推薦に基づいて審査・授与を行っています。

褒状(ほうじょう)

  • 褒章を授与される方が団体等である場合

飾版(しょくはん)

  • 既に褒章を授与された方に更に同種の褒章を授与する場合

褒章授与決定までの流れ

褒章授与はどのようにして決定しているのでしょうか。大きく、通常推薦と一般推薦の2つの方法があります。

通常推薦

通常推薦では、都道府県、市町村、関係団体などから推薦された中から、各府省が候補者を選考します。

一般推薦

一般推薦は通常推薦とは異なり、国民の方が春秋叙勲の候補者にふさわしい方を内閣府賞勲局に推薦します。
推薦者1名、賛同者2名で推薦することができ、推薦者は推薦書、賛同者はそれぞれ賛同書を作成します。推薦書1通と推薦書2通を同封し、内閣府賞勲局あてに郵送し、提出となります。
その後、内閣府賞勲局が推薦書と賛同書を元に、推薦候補者の功績に関係する府省と協議し、春秋叙勲の候補者にふさわしいかを検討します。検討後、春秋叙勲の候補者にふさわしいとされた方は、通常推薦者同様に関係府省などから内閣府賞勲局に推薦されます。

推薦の後の流れ

内閣府賞勲局は推薦された候補者について、審査を行い原案を取りまとめます。審査後、閣議決定し、天皇陛下の御裁可を得て発令されます。

身近な人が褒章を授与したら?

まずはお祝いの言葉を贈る

まずは、お祝いの言葉(祝意)を贈りましょう。授章は大変おめでたいことですから、親しい間柄であればご自宅へうかがってお祝いの挨拶をしたいところです。感染症流行時や遠方の場合、また、お互いの都合が合わない場合は、祝電を贈るのもよいアイデアです。祝電はお知らせを受けて10日以内を目安に送ります。

祝賀会(祝賀パーティー)がある場合

受章者によっては、受章報告を兼ねた祝賀会を催されるケースがあります。招かれた場合はご祝儀に金銭を包み、持参します。お祝い金の相場は1万円〜5万円程度で、中央値は2万円〜3万円程度とされています。お付き合いの深さによって調整しましょう。会費制の場合には会費がお祝い金となるため、別途お祝い金を用意する必要はありません。

お祝いの品は報告を受けてから10日以内を目安に

お祝いの品をお贈りする際には、受章の報告を受けてから10日以内を目安に贈りましょう。この場合の相場も2万円〜3万円程度です。

祝賀会に出席した場合はこのようなお祝いの品は必要ありませんが、もし招かれたけれど欠席した場合には、お祝いの品を贈りましょう。このケースも相場は1万円〜5万円程度で、中央値は2万円〜3万円程度、もしくは、会費と同額程度かそれ以上のお祝い品を手配するのが一般的です。

お祝いの贈り物は来客のおもてなしに使える品がおすすめ

受章された方のお宅はお祝いで訪問客が増えますから、贈り物は縁起のよいお酒やタイなどの鮮魚、胡蝶蘭、進物用の果物など、来客のおもてなしに使える品がおすすめです。配送でお贈りする場合も、受章から日を置かないのであればこうした品が喜ばれます。

ただし、これらは定番なので重なることも多い品です。少し日が経っているような場合は日持ちのする品を選ぶなどの工夫をしましょう。

ほかの方々との重複を避けたい場合は、カタログギフトがおすすすめ

褒章の受章となれば、受章者は多くの方々からお祝いをもらうことが考えられます。
贈り物の重複を避けたいという方にはカタログギフトがおすすめです。カタログギフトであれば豊富な品物の中から、受け取り手の方に選んでいただくことで、欲しいと思った物を贈ることできます。また、荷物がかさばらず、スマートにお祝いを贈ることもできるのも魅力の一つです。

のし・水引きについて

のし紙イラスト:紅黄(金)蝶結び水引。蝶結び右上に熨斗マーク、水引真上に表書きで「御叙勲御祝」と書かれている

褒章祝いのお祝い金や贈答品にかけるのしは、紅白蝶結びの水引がついたものを選びましょう。蝶結びはほどけやすく結び直しやすいことから「何度あってもいいお祝い」の象徴とされています。

表書きは「御祝」「御受章祝」「御叙勲御祝」のいずれかとします。褒章を受けるので「受」です。「受」と間違わないように注意したいところですね。

褒章のお祝いとして贈らない方がよい物

昨今は気にされない方も増えていますが、従来のタブーもおさえた上で贈り物を選ぶとよいでしょう。褒章のお祝いに適さないとされるのは、以下のようなアイテムです。

靴下、下着、スリッパ、靴など「(相手を)下に見る」「踏みつける」が連想されるため
ベルト
時計
文房具・カバン
それぞれ、「気を引き締めて」「時間管理をして」「勤勉に」という意味につながるため後輩や年下向けの贈答品とされているため
お茶弔辞の際に利用されることが多く、お祝いの贈答品には不向きと考える方が多い品。ただし、地方によっては縁起物であることも

そのほか、苦・死につながる櫛(くし)やシクラメン、縁を切ることにつながる刃物類、葬儀で用いる和菊などが、お祝いごと全般で避けたほうがよい品とされています。

褒章祝いのお礼について

褒章のお祝い(お祝い金や贈答品)をいただいたら、いただいた金品の半額程度を目安に、贈り物や受章の旨を名入れしたお菓子などの記念品をお贈りします。

おすすめの品物

内祝いや受章記念品には、菊の紋や受章記念(日付、名前など)を入れた和洋菓子やお酒などの使うとなくなる品が用意されることが多いようです。器、ブックマーク、フォトスタンド、卓上時計などの机上用品も定番ですが、名入れは控えめにすると使っていただきやすいでしょう。

渡すタイミングについて

受章者が祝賀会を主宰する場合は、「引出物」としてお渡しします。宴席後に持ち帰っていただくことになりますから、大きさや重さを考慮して選びましょう。

受章者とは別の方が祝賀会を主催してくださる場合は、祝賀会を開いてもらってから1~2週間以内を目安に、出席者に内祝い(叙勲記念品・受章記念品)を贈ります。

内祝いののし・水引きについて

内祝い(叙勲記念品・受章記念品)にかけるのしの水引きは、叙勲祝いと同様に蝶結びの水引を選びます。表書きは「内祝」「御礼」「受章記念」「〇〇褒章 受章記念」のいずれかとします。

のし紙画像:紅白蝶結び水引の書かれたのし紙。蝶結び右上には熨斗マーク、筆文字で蝶結び上に表書き「内祝」下に名前「リンベル 太郎」と書かれている。
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