お祝いごとの贈答品には、のし紙をかけるのが一般的です。のし紙をかける際に、「内のし」か「外のし」どちらをかけるべきか迷う方も多いのではないでしょうか?
この記事では、混同されがちな「内のし」と「外のし」の使い分け、違いについて解説します。用途別にどのようなのしが適切なのかも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
のし紙と掛け紙は違う?
のし紙は結婚や出産など慶事の贈答シーンで用いられるものです。
一方、掛け紙は弔事に用いられる包装紙で、水引のみが印刷されたものになります。
掛け紙について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
のし紙をかけるのはギフトの常識?
贈答品にのし紙をかける風習はどのくらい浸透しているのでしょうか?
お祝いや内祝いでいただいたギフトにのし紙がかけられている頻度についてお聞きしたところ「ほとんどの場合のし紙がある(11.8%)」「のし紙があることが多い(48.1%)」という方が半数以上となり、のし紙がかけられたギフトを受け取っている方が多いことがわかりました。

受け取ったギフトにのし紙がかけられていることが多いですか?
ほとんどの場合のし紙がある 11.8%
のし紙があることが多い 48.1%
のし紙があることが少ない 34.3%
ほとんどの場合のし紙がない 5.9%
※リンベル メルマガ会員へインターネット調査 ※調査期間:2025年6月27日~7月10日 ※回答者:543名
また、贈答品にのし紙がかけられていた場合、よい印象を受ける方が多いことも判明しました。

ギフトにのし紙がかけられていたら、どう思いますか?
とてもよい印象を受ける 17.9%
よい印象を受ける 58.0%
特に何も感じない 23.9%
よくない印象を受ける 0.2%
※リンベル メルマガ会員へインターネット調査 ※調査期間:2025年6月27日~7月10日 ※回答者:543名
お友だちへのお誕生日祝いなど、カジュアルなギフトは別ですが、お祝いや内祝いの贈答品には、のし紙は欠かせません。
品物を購入する際は、お店やネットショップに、のし紙のサービスがあるか、事前に確認したいですね。
内のし・外のしとは?
のしには、「内のし」と「外のし」の2種類があります。
内のしは、贈答品に直接のし紙をかけ、その上から包装紙で包む方法です。外のしは、包装紙で包んだ上からのし紙をかける方法です。
なぜ内のしと外のし、2種類があるのでしょうか。また、それぞれに意味の違いはあるのでしょうか? 今回はのし紙とは何か、内のしと外のしの適切な使い分けについてご説明します。
リンベルが行ったアンケート調査では、「外のし」「内のし」をご存知の方が8割以上いらっしゃいました。

のしには「内のし」と「外のし」があることをご存知ですか?
知っていた 83.8%
知らなかった 16.2%
※リンベル メルマガ会員へインターネット調査 ※調査期間:2025年6月27日~7月10日 ※回答者:543名
内のし・外のしの使い分け

のし紙は慶弔事にあたり、礼を尽くす姿勢を表すもの。のし紙をかけることが大切であり、内のし・外のしの使い分けには厳密な決まりはありません。
ただ、お渡しする状況によって、どちらかがより適切という傾向はあるので、気にかけておくとよいでしょう。
内のしが適切な時
内のしは包装紙にのし書きが隠れてしまうので、お渡しする時には表書き(贈答品の目的)が見えません。主に内祝いに用いられます。
内祝いは現在では「返礼品」と捉えられていますが、もともとは「自分に祝い事があったのでお裾分けします」という意味があり、贈り先さまの慶事をお祝いする贈答品ではありません。このことから、控えめな表現に感じる内のしが内祝いにはおすすめです。
また、宅配便で贈答品を贈る際には、配送途中でのし紙が傷つかないように内のしがよいとされています。
さまざまな目的に応じた内祝いのマナーも抑えておきましょう。
慶事や弔事などのギフトに関しても、宅配便で贈るときは内のしで贈るのがよいとされています。また、出産祝いのお返しに贈る「内祝い」なども、内のしで贈るとよいでしょう。
外のしが適切な時
外のしは、包装紙で包んだ上からのし紙をかける方法です。贈り物の目的や贈り主が一目でわかるため、手渡しや多数の贈り物が届く場面に適しています。
結婚・出産祝いなどは外のしが適切といえます。
手渡しの場合は持ち運びしやすいものがオススメ
手渡しの場合は、小型で持ち運びしやすいものを選ぶようにしましょう。贈り先さまに渡した後のことも配慮するのがマナーとされています。
贈り物を手渡しできるときや、贈り先さまにたくさんの贈り物が集まっているときなどは、外のしが適しています。外のしの場合は、贈り物の名目や贈り主の名前がひと目で分かるのが理由です。
外のしで結婚祝い、出産祝いなどのお祝いギフトを渡せば、表書きがお相手によく見えるので、お祝いの気持ちも伝わりやすくなりますよ。
用途別でみるのしのマナー
続いて、結婚祝いや出産祝いなどの用途別にのしのマナーを紹介します。
結婚祝いののし
のしは、外のしを選ぶのが一般的です。外のしとは包装紙の上からのしをかける方法で、結婚祝いのような改まった贈り物に適しています。
表書きは「寿」や「壽」、「御結婚御祝」を使うのが一般的です。
結婚は繰り返さない方がよいお祝いとなっているため、赤白10本で結び切りの水引がついたのし紙を使いましょう。
結婚祝いでおすすめのカタログギフトは、以下の3つです。
出産祝いののし
出産祝いののしは、外のしを選ぶのが一般的です。出産は何度繰り返してもよいお祝いとなっています。水引きは、繰り返し結び直せる蝶結びで赤白5本となっているものを選びましょう。
出産祝いの表書きは、「御出産御祝」や「御安産御祝」、「御出産祝」とするのが一般的です。
出産祝いでおすすめのカタログギフトは、以下の3つです
長寿祝いののし
長寿祝いののしは、外のしを選ぶのが一般的です。水引きは蝶結び(花結び)で、色は紅白(赤白)や金赤、金銀などを選びましょう。
長寿祝いの表書きは、「御祝」や「祝喜寿」、「祝米寿」などとするのが一般的です。
長寿祝いでおすすめのカタログギフトは、以下の3つです。
入学祝いののし
入学祝いののしは、外のしを選ぶのが一般的です。入学祝いは何度あってもよいお祝いごとです。何度も結び直せる「蝶結び」で、慶事に用いられる「紅白」の水引を選びます。
表書きは、「御入学祝」や「入学御祝」、「祝御入学」などとするのが一般的です。
入学祝いでおすすめのカタログギフトは、以下の3つです。
法事・香典返しののし
法事・香典返しののしは、内のしを選ぶのが一般的です。水引は黒白で結び切りを選びましょう。表書きは宗教や宗派、地域によって異なりますが「志」を使うのが一般的となっています。
法事・香典返しでおすすめのカタログギフトは、以下の3つです。
仏事・お供え物ののし
仏事・お供え物ののしは、蓮の絵が入ったかけ紙を使うのが一般的です。表書きは、水引の上に「御供物」や「御供」と書き、水引の下に名前を書きます。
葬儀の際には薄墨を使うのがマナーとされていますが、法事などの場合は濃い墨を使っても問題ありません。
仏事・お供え物には以下のカタログギフトがおすすめです。
お歳暮ののし
お歳暮ののしは、外のしにするケースが一般的ですが、お中元と同様に配送している最中にのし紙が傷つかないように内のしを使うケースもあります。
お歳暮の表書きは「お歳暮」や「御歳暮」とするのが一般的です。お歳暮の時期が過ぎてから贈る場合、「お年賀」や「御年賀」、「寒中御見舞い」などに変えましょう。
お歳暮で贈る品物を選ぶのが難しい場合、以下のカタログギフトがおすすめです。
内祝いののし
内祝いを贈るとき「のし」をつけるのがマナーです。結婚内祝いや快気内祝いなどの場合、紅白の結び切りを、出産内祝いや入学の内祝いの場合、蝶結びを選ぶと良いでしょう。
お祝い事の水引は、色は紅白、本数は5本が基本です。贈り物に応じて7本結びを用いる場合もあります。
内祝いの表書きは「内祝い」とするのが一般的です。
内のし・外のし を間違えた場合の対処法
内のし・外のしは、厳密なルールがあるわけではありませんが、慶事なのに弔事の内容にした等のミスは贈り先さまに対して大変失礼になります。受け取り済みの場合は、すぐに謝罪しましょう。
のしの包装を頼んだ業者にも連絡して、迅速に対応してもらうことをおすすめします。
のしを間違えることで贈り先さまに残念な思いをさせないように、気を付けて贈りたいですね。
間違ったのし紙をかけたギフトを受け取ったことはありますか?
受け取ったことがあり、残念な気持ちになった9.4%
受け取ったことがあるが、気にならなかった16.8%
受け取ったことがない73.8%
※リンベル メルマガ会員へインターネット調査 ※調査期間:2025年6月27日~7月10日 ※回答者:543名
そもそも「のし紙」とは?
「掛け紙」+「水引」+「熨斗(のし)」=「のし紙」
古来、贈答品には贈る理由・贈り主を書き入れた「掛け紙」をかけ、「水引」でくくり、「掛け紙」の右肩にのしを添えて贈っていました。
現代ではこの慣習は印刷技術によって簡略化され、「掛け紙」に「水引」とのしが印刷された紙を「のし紙」と呼ぶようになったのです。
「熨斗(のし)」はめでたい肴が由来
のし紙の右肩、和紙に黄色い細長いものが包まれているように見えないでしょうか? 実はこの黄色いものはあわび。干しあわびを打ち伸ばしたものをのしといい、室町時代に祝い事や出陣の際に行う儀式「三献の儀」に欠かせない肴のひとつでした。
弔事に「のし紙」は使わない?
のしは前述のように喜ばしい儀式の肴。なので、弔事の贈答品に使用する掛け紙にはのしは描かれていません。しかしのしが描かれていなくても、便宜上「弔事用のし紙」の名称で出回っています。
お供物は「外のし」
故人への供養となるお供物も、外のしで贈るのが一般的となっています。葬儀・法事では多くのお供物が集まるため、お供物には表書きや贈り主の名前が見えやすい外のしが最適です。
香典返しは「内のし」
香典返しには、控えめな印象を与える内のしで贈るのがよいとされています。ただし、地域の風習で外のしで贈るケースも多く見られます。
香典返しを贈る前に地域の風習について確認するようにしましょう。
贈答品や内祝いにおすすめのギフト
贈答品や内祝いには、カタログギフトがおすすめです。
カタログギフトがなぜおすすめなのか、理由について解説します。

贈答品や内祝いにカタログギフトを受け取ったことがありますか?
ある 96.9%
ない 3.1%
この結果からも、カタログギフトがギフトの定番となっていることがわかりますね。
受け取った方が使い方がわからないのでは? といった心配はないようです。

贈答品や内祝いにカタログギフトをもらったらうれしいですか?
とてもうれしい 24.9%
うれしい 48.3%
どちらともいえない 25.6%
うれしくない 1.1%
まったくうれしくない 0.2%
※リンベル メルマガ会員へインターネット調査 ※調査期間:2025年6月27日~7月10日 ※回答者:543名
あらゆるギフトシーンで人気となっているカタログギフト。
リンベルの調査によると、カタログギフトをもらったことがある方は95%以上で、7割以上の方が「もらってうれしい」と感じていることがわかりました。
カタログギフトは好きなものを選べるギフトで、もらってうれしくない方は非常に少ないことからも、何度贈っても喜んでいただけるギフトだといえそうですね。
カタログギフトの魅力とおすすめ商品
カタログギフトの一番の魅力は「受け取った方が、自分の好きな商品を選ぶことができる」ということ。
豊富なジャンルから性別・世代・関係性・趣味などさまざまな観点から選ぶことができ、より「その人にぴったりの一冊」を選ぶことができます。
グルメ・グッズギフトのおすすめ
リンベルの「のし」無料サービスについて
リンベルでは、世界的な水引デザイナーが考案・デザインした「アート水引サービス」をご提供しています。水引のマナーや伝統的な思想をしっかり継承しつつ、現代のギフトシーンにもさりげなく馴染むようなおしゃれな装いに生まれ変わった新しいデザインの水引です。

水引など、ギフトの包装がおしゃれなものだとうれしいですか?
とてもうれしい 29.7%
うれしい 47.3%
どちらともいえない 22.1%
うれしくない 0.9%
※リンベル メルマガ会員へインターネット調査 ※調査期間:2025年6月27日~7月10日 ※回答者:543名
同じギフトでも水引や包装にこだわることで、ワンランク上のギフトになります。
特別感のある包装をすることで、よりお喜びいただけるギフトにしたいですね。
