火葬場の係員、霊柩車の運転手、配膳や受付のお手伝いをいただいた方々には、「寸志」の表書きをした袋でお金を包んで心付け(お礼)をする習慣があります。ここではその「寸志」の意味や基本的なマナーについてご紹介しましょう。
「寸志」はお祝いにも使われる表書き
「寸志」そのものは、不祝儀だけの習慣ではありません。言葉そのものは「わざわざ志というほどでもない、一寸だけの気持ちです」と謙遜する意味ですから、目上の方から目下の方へのお祝いや心付けなどにも表書き(のしの表面に書く)として使われることを覚えておきましょう。ちなみに、目上の方へ差し上げる場合「寸志」では失礼に当たります。
「寸志」の渡し方
地域にもよるが予算は1,000~5,000円前後が一般的
「寸志」として心付けを渡す習慣がある場合、地域や葬祭業者との関係性にもよりますが、概ね1,000~5,000円ほどをお渡しすることが多いようです。気持ちのものですので、車両の運転手、民営火葬場の係員、受付など負担の多い仕事の方には他の方より多めに包むことも。一方で近年では、葬祭業者が「すべて料金に含んでおります」とし、寸志を求めないというケースも増えています。
不祝儀ののし袋か白封筒に「寸志」と表書きを
心付けを包むのは不祝儀ののし袋か白封筒など控えめなものにし、「寸志」と表書きをしましょう。渡すのは式の終わった後と言われますが、タイミングが難しいこともあり、葬祭業者がまとめて預かったり、合図をくれるといったこともあるようです。